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令和元年度 東北地区現場研修会 開催報告

          
一般社団法人ダム工学会 企画運営委員会
 活性化推進小委員会 東北地区幹事


東北ブロックでは、令和元年度ダム工学会東北地区現場研修会を、9月24日に国土交通省東北地方整備局が秋田県雄勝郡東成瀬村に建設中の成瀬ダムにおいて開催しました。


 開催直前には台風17号から変わった温帯低気圧が東北地方に接近したため天候が心配されましたが、現場到着までには回復し、問題なく見学を行うことができました。


 JR仙台駅東口で集合し、大型観光バスのほぼ定員参加のもとに、東北自動車道を北上し、古川から鳴子ダムをかすめるように横眼に見つつ、約3時間をかけて現地に到着しました。往復のバス内では、鳴子ダム・田瀬ダムなど東北地方を代表するダムの建設当時の歴史を感じさせる白黒画像のビデオを上映しました。

見学会は、成瀬ダム工事事務所での昼食の後に、現場JV事務所での工事概要の説明、工事現場の見学という手順で進みましたが、その間の移動に際しては、バスの車内で成瀬ダム工事事務所田川副所長より、工事概要に加えて地元との交流などについて興味深いご説明をいただきました。現場JV事務所では、ダム堤体打設JVの奈須野所長より、現在の工事の進捗や技術的特徴である台形CSGダムの情報化施工について説明をいただきました。工事現場では、堤体掘削が進みダムサイトの全容が明らかとなった施工面で、60tダンプをはじめとする大型の施工機械を間近に見ることができ、さらに無人運転の転圧機械によるCSG打設の試験施工を見学することができました。

今回の見学会では、東北大学から将来を担う14名の学生の参加がありましたが、その中の2名からいただいた感想文を本報文の最後に掲載します。

今回の研修会は、39名と多数の参加をいただき、無事終了することができました。

開催にあたりましては、国土交通省東北地方整備局成瀬ダム工事事務所および鹿島・前田・竹中土木特定建設工事共同企業体の皆様には、ご多忙にもかかわらず、説明や案内など多大なご協力とご配慮をいただきました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。



<令和元年度 東北地区現場研修会 概要>

1.開催日:令和元年9月24日(火) 日帰り

2.見学場所
国土交通省東北地方整備局 成瀬ダム
           (秋田県雄勝郡東成瀬村椿川地内)


3.参加人数:39名

所属 官庁 大学関係(学生) 建設
会社
コンサル
タント
個人  合計
人数 3 18(14) 14 4 0 39


4.行程

項 目 時 刻 内 容 備 考

集合

9:00集合
9:15 発 

仙台駅東口1F
バスプール 
 
バス移動  9:15-12:00  ・研修会概要説明
・ビデオ上映
成瀬ダム関連資料配布
昼食

12:00-12:50

・お弁当・お茶 

・成瀬ダム工事事務所

バス移動

12:50-13:10 ・成瀬ダム堤体打設JV工事事務所に移動 

工事説明

13:10-13:40 新工法紹介等 JV工事事務所内
成瀬ダム現場見学 

13:40-15:30
(約1.5時間)

・施工状況説明
・ビデオ上映

・工事現場
・バス移動

バス移動  15:30-17:55 ・見学会の感想他   
JR仙台駅  18:00  解散   


5.開催者 :一般社団法人ダム工学会 主催
        公益社団法人土木学会岩盤力学委員会 共催


6.継続教育(CPD):2.0単位(認定番号JSCE19-1031)

7.写真

 

JV工事事務所での工事概要説明@ JV工事事務所での工事概要説明A 
基礎掘削が進むダムサイト  試験施工状況 
展望施設の案内看板 ダムカードと重機カード

8.参加者による感想文

●東北大学工学部4年 鈴木斗志矢

今回は成瀬ダムにおけるダム工学会の現場研修会に参加させていただきました。

 AIの技術が急速に発展していく中で、今回の研修会で参加者の多くが注目していた無人での重機操作の試行は楽しみなものでもありました。

 成瀬ダム建設予定地到着後、工事現場を高台から見させていただきました。かなり大きな規模で、圧倒されてしまいました。その後、実際に現場に行き、ブルドーザーの自動操縦を見させていただきました。自動操縦を間近に見た感想といたしましては、プログラムとセンサーの利用でこんなにも複雑な動きができるのかと感銘を受けました。しかしながら、帰りのバスで述べられた感想の中には、まだまだ人による操作には及ばないという意見もありました。素人目には分からない事がたくさんあると感じると同時に、そのような信頼を置かれる丁寧な仕事をするためにはいったいどれほどの期間が必要なのかと思いました。

 このように、様々な意見を聞くことができ、考えるきっかけを得られる機会に参加できたことはとても嬉しかったです。最後に、この度は現場研修会を開催いただき、関係者の皆様に心から御礼申し上げます。


●東北大学工学部4年 野崎陽明

 今回は、ダム見学会の現場研修会に参加させていただき、普段見ることのできないダムの建設現場を見学させていただきました。実際のダムの建設現場を見学して、重機や建設現場の大きさからみても、改めて規模が大きいと感じることができました。また今回の現場研修会を通じて台形CSGダムやブルドーザーの自動運転の技術を感じることができました。

 台形CGSダムに関しては、骨材の選定が簡略化を図れたり、自動運転技術に関しても、昨今、人手不足が深刻な建設業界において省力化という点において一筋の明るい光を見ることができました。自動運転技術に関しては来年以降もよりいっそう進化が望める分野であるので、来年以降も見学をしたいという気持ちになりました。

 現在、私は大学4年で土木工学を学んでいて、勉強していることがスケールの大きい構造物を作り上げることの基礎になっていることを再認識することができ、これからの勉強のインセンティブになりました。

 今回はこのような現場見学会を設けていただき誠にありがとうございました。

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