一般社団法人ダム工学会
 
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会長挨拶

 

平成25年度
一般社団法人ダム工学会 会長

大町 達夫 (おおまち たつお)

一般財団法人ダム技術センター 理事長


会長あいさつ

 このたび、伝統あるダム工学会の第20代会長にご選任いただき、身に余る光栄と感じるとともに重責を担う緊張感を味わっております。この機会に、ダム工学会の会員各位および関係者各位に心温まるご協力と力強いご支援を改めてお願いし、重責を全うしたいと考える次第です。
 
 わがダム工学会は、設立以来、さまざまな荒波にもまれて来ました。近年は、国や地方自治体の財政難や環境負荷の増大に対する強い懸念などにより、日本のダム事業が全般に社会の逆風にさらされ、その重苦しい余波が当学会の活動にも反映していたように思われます。一方、2年前の3月11日には東日本大震災や福島第一原子力発電所事故がありましたし、同年7月には新潟・福島豪雨の記録的な大雨による水害がありました。その後も原子力災害は終息よりも拡大・長期化に向かい、日本の各地で豪雨や洪水の被害が繰り返し発生しています。このような状況の中で、再生可能な水力エネルギーを貯留し、高い洪水調節能力を発揮するダムの重要性が社会的にも再認識されてきたのは当然と思われますが、わがダム工学会が年来の緊急重要課題を抱えていることも事実です。それを一言で申せば、当学会の持続可能性sustainabilityを早急かつ確実に向上させることです。
 
 具体的には、まず学会会員数の増加です。「日本ではダム技術者は絶滅危惧種だ」といったご指摘もありますが、私も当学会に関して同じような危機感をもっています。このダム工学会の正会員数は、平成12年度までは2,000名を越えていましたが、それ以降は減少が続いています。本年3月末時点での平成24年度正会員は811名(前年度比21名減)、学生会員は5名(同4名増)、60歳以上のシニア会員は65名(同7名増)でした。3年前には学生会員がゼロとなり、学生会費を無料化して事態の改善が図られ現在に至っていますが、その成果はまだ十分とは言えません。日本のダム技術や当学会の持続可能性を高めるためには、学生を含め若手の会員数を早急に増やすことが必要不可欠です。当学会では近年、活性化活動として日本各地での現場見学会や講演会をはじめ、「ダムなんでも相談室」「語り部の会」「with Dam ★Night」などの催し物を開催しています。学生や若手技術者・研究者に対してこれらの催し物への参加呼びかけや当学会への入会勧誘を一層積極的に行っていただければ幸いです。

 さらに、ダムの非常事態への備え、特に緊急対応能力あるいは危機管理能力を格段に高めることも緊急重要課題の一つと考えます。一昨年の東日本大震災では、潅漑用のダム(藤沼池)が決壊し死者・行方不明者がでましたが、そのような人身事故の再発防止は極めて重要です。同じ東日本大震災では、原子力発電所事故によって急遽、管理職員の退避が必要となったダムや、表面遮水壁にクラックが発生し漏水量が急増したダムもありました。最近の状況からみてダムの非常事態には、大地震やゲリラ豪雨、あるいはテロ活動など、さまざまな自然的あるいは社会的要因があると思われます。ダムが想定外の非常事態となった場合にも的確に人身事故を回避できるよう、緊急対応能力や危機管理能力を高めるための取り組みを、ダム工学会としても強化する必要性が高いと思われます。

 昨年6月に開催されたICOLD(国際大ダム会議)2012京都大会は、日本のダム事業関係者が文字通り総力を結集して尽力された結果、多くの困難を克服し大成功をおさめられました。一般社団法人ダム工学会の持続可能性を高め、当学会の発展に微力を尽くす所存ですので、今一度、ダムの技術者・研究者の各位に格段のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げ、簡単ですが、会長就任の挨拶とさせていただきます。


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