1.はじめに
ダム工学会若手の会では、土木工学を勉強している学生および若手技術者を対象に「第11回ダムを知るための若手技術者勉強会 〜流域治水(水災害からの防御)とダム事業について〜」を令和7年1月15日(水)に開催しました。若手の会では、「技術現場からの研究課題の発掘と研究成果の社会への速やかな還元」を活動の目標として活動を行っており、本勉強会はこの一環として毎年開催しているものです。
今回の勉強会は、昨年度に引き続きオンラインでの実施となりました。今回のテーマは、「流域治水(水災害からの防御)とダム事業について」と題して、 昨年の見学会で訪れた「南摩ダム」について、国内でめずらしいCFRD型式を採用した南摩ダムのコンクリート表面遮水壁の施工方法を中心に取り上げました。
また「ダム事業をめぐる現状と今後の展望」と題したご講演をいただき、ダム事業の「今」と「これから」について取り上げました。
大学や一般企業、法人団体などからの参加登録者は92名を数え、ダム事業の「今」と「これから」を学ぶ貴重な機会となった若手技術者勉強会について報告いたします。
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| 勉強会実施状況 |
2.プログラム
今回の勉強会は下記のプログラムで開催しました。昨年度より講演数を減らし、より気軽に参加できるよう配慮しました。
3.概要
今回は、国土交通省水管理・国土保全局と、独立行政法人水資源機構の皆様にご協力いただき、「流域治水(水災害からの防御)とダム事業について」をテーマに、についてご講演いただきました。勉強会の始めには、東京科学大学環境・社会理工学院准教授の藤井先生より開会のご挨拶をいただきました。
3.1 プログラム1 南摩ダムについて
昨年度、ダム工学会若手の会の取組みであるダム見学会により、見学した南摩ダムについて、水資源機構本社ダム事業部 田中委員からご講演いただきました。はじめに南摩ダムの事業概要をご説明いただいた後、日本では珍しいCFRD(コンクリート表面洒水壁型ロックフィルダム)の構造的特徴についてわかりやすく示されていました。また図やイラスト、動画を用いて、南摩ダムの施工流れが視覚的に理解できるよう工夫されていました。DXの取組みや試験湛水の様子までご紹介いただき、大学や一般企業、法人団体など若手技術者や参加者からの幅広い内容の質問が寄せられ、関心の高さが窺えました。
3.2 プログラム2 ダムの今とこれから
ダム事業をめぐる現状と今後の展望について、国土交通省 水管理・国土保全局治水課 服部企画専門官からご講演いただきました。大きくは顕在化している気候変動の影響・流域治水の推進・ダム建設事業状況・ダムツーリズムをご説明いただきました。「顕在化している気候変動の影響」では、気候変動の影響で浸水被害の増加傾向していることから、その対応として気候変動を踏まえた計画へ見直しのほかに、温暖化による悪影響に備える「適応策」と温室効果ガスを減らす「緩和策」の2種類が気候変動対策であることを学ぶことができました。「ダム建設事業の状況」として、近年におけるダムの洪水調節の実施状況や事業実施中のダム建設事業、「既設ダムの活用」として流域の特性や課題に応じ、ソフト・ハード対策の両面から、季節ダムを有効活用する「ダム再生」を推進するご説明いただきました。今後の水災害からの防御について、大学や一般企業、法人団体など若手技術者や参加者への貴重な時間となりました。
4.おわりに
プログラムの最後には、東京大学特任教授の川崎氏から勉強会の総括として、今回ご紹介いただいた3つのダム建設現場について振り返っていただきました。また、ご自身の研究でも高精度な降雨量・流入量等の気象・水文予測データを利用したダム操作の最適化について取り組んでいることにも触れつつ、ダム事業にはまだDXの余地があり、これによって、今後より一層求められるSDGsやカーボンニュートラルに貢献していくことができるが、そのためには産学官だけでなく一般市民も巻き込んで取り組んでいくことが重要であるとお言葉をいただきました。
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| 勉強会の様子 |
勉強会後に実施したアンケートでは、講演内容について「良い」が回答の大半を占め、この勉強会を通して「流域治水(水災害からの防御)とダム事業について」に対する理解を深めるともに、ダムの魅力を感じていただけたのではないかと思います。若手の会では、今後もダムの最新の動向に着目し、現地での見学会や、今回のようなオンライン上での勉強会といった、できるだけ多くの皆様にダムについて興味を持っていただけるような活動を継続してまいりたいと考えております。
最後になりますが、今回ご講演いただいた国土交通省水管理・国土保全局、独立行政法人水資源機構の皆様、本会委員の皆様、その他、ご協力いただいた皆様に改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました。
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