一般社団法人ダム工学会
 
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令和4年度 東北地区現場研修会 開催報告

          

 活性化推進小委員会 東北地区幹事


東北ブロックでは、令和4年度ダム工学会東北地区現場研修会を、10月19日に国土交通省東北地方整備局が秋田県雄勝郡東成瀬村に建設中の成瀬ダムにおいて開催しました。


 本開催は、新型コロナウィルス感染症拡大の影響により、令和元年度開催以来でした。加えて、当時と同じ成瀬ダム建設工事における開催で、令和元年からの進捗がわかる見学会となりました。見学会は、感染拡大を鑑みながらの決行となりましたが、問題なく見学を行うことができました。


 JR仙台駅東口で集合し、観光バスにて、東北自動車道、秋田自動車道を経由し、約3時間をかけて現地に到着しました。行きのバス内では、リモートにて堤体工事JV様による成瀬ダム工事概要説明をしてもらう試みを行いました。多少、接続的な問題も発生しましたが、感染症拡大により普及したシステムを活用することで、今後の見学会の満足度向上等も感じられました。その後、車内では、東北大学 京谷先生からの依頼にて、褐嚼ン技術研究所の丹羽委員により、学生向けの即興ダム講義を開催していただきました。とても分かりやすい解説をしていただき、学生含め、若き技術者のダム理解度は大きく深化しました。

見学会に先立ち、成瀬ダム近隣となる『やまゆり温泉』にて、昼食、成瀬ダムのダムカレーを頂きました。アーチ式に見えましたが、それゆえ、食による“ほっこり”を多く感じながら食べることができました。

見学会では、令和元年度にはなかった『KAJIMA DX LABO』に加え、堤体工事場所、原石山工事場所、材料製造設備場所を見学させていただきました。『KAJIMA DX LABO』では、タブレットにて完成ジオラマ、展示パネルのAR体験をしました。また、堤体工事場所では、鹿島JV職員様より、A4アクセル(自律運転)等の説明を、原石山工事、材料製造設備場所では、大成JV職員様より採取する岩石分類の管理方法、材料の製造処理機械等についての説明を、懇切丁寧にしていただきました。多少現場見学中は、急な風雨の天候に見舞われましたが、最新のDX技術に触れ、現在の社会的な人不足という建設業問題を大きく解決する手段がここには多く感じられ、建設業も将来の姿を実感することができました。

今回の見学会では、東北大学から将来を担う9名の学生の参加がありましたが、その中の2名からいただいた感想文を本報文の最後に掲載します。

今回の研修会は、24名の参加をいただき、無事終了することができました。

開催にあたりましては、国土交通省東北地方整備局成瀬ダム工事事務所および鹿島・前田・竹中土木特定建設工事共同企業体、大成・佐藤・岩田地崎特定建設工事共同企業体の皆様には、ご多忙にもかかわらず、説明や案内など多大なご協力とご配慮をいただきました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。



<令和4年度 東北地区現場研修会 概要>

1.開催日:令和4年10月19日(火) (日帰り)

2.場所
国土交通省東北地方整備局 成瀬ダム
        (秋田県雄勝郡東成瀬村椿川地内)


3.参加人数:24名

所属 官庁 大学関係(学生) 建設
会社
コンサル
タント
個人  合計
人数 10(9) 10 3 1 24


4.行程

項 目 時 刻 内 容 備 考

集合

7:30集合
7:45 発 

JR仙台駅東口1F
バスプール 
 
バス移動  7:45-10:55  工事概要説明(WEB)
丹羽委員による講義
成瀬ダム関連資料配布
東北地方整備局
成瀬ダム工事事務所

10:55-11:05

現地集合者と合流 


11:05-11:25  

昼食

11:25-12:00 【やまゆり温泉】
・ダムカレー
バス移動 

12:00-12:40

成瀬ダム工事事務所に移動
・事業概要説明
成瀬ダム現場見学

12:40-15:30
(約2.5時間)

DXLABO-堤体工事場所-原石山工事場所-材料製造場所

工事現場
バス移動

バス移動  15:30-19:30 見学会の感想他   
JR仙台駅  19:30  解散   


5.開催者 :一般社団法人ダム工学会 主催
        公益社団法人土木学会岩盤力学委員会 共催


6.継続教育(CPD):2.9単位(認定番号JSCE22-1105)

7.写真

 

往路のバス車内での工事説明(WEB) やまゆり温泉での昼食 
ダムカレー  KAJIMA DX LABO内での説明 
AR体験 堤体工事の展望台にて
原石山工事の展望台にて 骨材製造ヤード展望にて

8.参加者による感想文

東北大学 大学院 修士1年 星啓太郎

今回の見学会では自動化施工やCSG工法といった最先端の技術について学ぶとともに、実際にそれらの技術を駆使しているダム堤体打設工事現場を間近に見ることができました。

  鹿島DXラボ、原石山での材料採取現場、 自動化施工を導入した現場等、様々な現場を見学させていただきましたが、中でも、CSG工法による施工が印象に残りました。

  現場の技術者の方々にCSG工法の特徴や材料の製造・搬入等について解説していただき、知見を広げるとともに、現場での材料製造やダム堤体を打設している様子を実際に見て、CSG工法がいかに効率的かつ合理的な施工手法であるかを実感することができました。 加えて、最先端の技術を駆使することで労働者不足や安全性の向上等の土木分野が抱える課題に向き合っている現場を目の当たりにし、新技術の開発や導入が非常に重要であることを改めて感じることができました。  今回の見学会で得られた知見や経験を今後の研究活動や将来、土木技術者として働く際に生かしていきたいと思います。
           
  最後になりますが、この度は貴重な現場見学会を設けていただき誠にありがとうございました。


●東北大学 4年 岩葉柊志

 今回成瀬ダム現場見学会の見学に参加させていただき、貴重な経験をすることができました。これまで講義や学会誌を通じてIT技術を利用した施工による生産性の向上が進められていることを知っていました。 今回の見学会で実際に見たことで自動化によるメリットを再認識し、IT技術の活用の凄さを実感しました。 また建設中の堤体を見たことでダム、土木構造物のスケールの大きさを改めて感じました。 クアッドアクセルによる省人化、現場の安全性向上や台形CSGの型式の採用により3つの合理化を同時に達成することなど、今後の日本の土木業界における問題を解決する新技術を現場で見ることができてとても良かったです。 このような新技術による解決が増えていくと思うと今後の発展が楽しみだなと感じるとともに、また現場見学会に参加したいなと思いました。

  今回の見学会を通じて日々の土木工学に関する学習がダムのような土木構造物の基礎になっているのだなと感じ、今後より一層勉強に励みたいなと思いました。 今回は現場見学会を開催していただき,ありがとうございました。

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