一般社団法人ダム工学会　企画運営委員会
活性化推進小委員会　東北地区幹事

　東北ブロックでは、平成24年度東北地区現場見学会を、下記のとおり平成24年10月3日に津軽ダム（国土交通省）工事現場にて開催し、無事終了しましたので報告致します。

【津軽ダム（国土交通省）の概要】
・目的：洪水調節、流水の正常な機能の維持、かんがい、水道、工業用水道、発電
・形式：重力式コンクリート
・集水面積：172.0km2
・湛水面積：5.1km2
・堤高：97.2m
・堤頂長：342.0m
・堤体積：717,000m3
・総貯水容量：140,900千m3
・総事業費：1,620億円

　当日は、午前7時30分にJR仙台駅をバスで出発し津軽ダムを目指しました。移動の時間を利用した車中では、東北地方整備局津軽ダム工事事務所の谷田所長より「津軽ダムの事業概要」として、ダム事業・ダム計画の概要や、津軽ダムの特徴である、既設目屋ダムを利用した半川締切による転流工の計画及び現在の状況、津軽ダム貯水池に湛水する旧鉱山施設への対応（既設鉱さいかん止堤）、東北では初の採用となる巡航ＲＣＤ工法の特徴などをご説明頂きました。また、ダムサイト周辺では工事用道路として整備した区間での環境配慮事項、工事事務所・ＪＶ事務所等での景観配慮等についてもご説明頂きました。

　津軽ダム工事事務所に立ち寄り現地参加者と合流してからは、東北地方整備局津軽ダム工事事務所の船木工事課長、並びに津軽ダム本体建設工事　間・西松特定建設工事共同企業体の中上所長、柏木副所長にもご同行して頂き、ダム施工現場に移動し現場見学を行いました。

　ダムサイトでは、まず始めに、右岸天端付近に設けられた展望所から施工現場を一望し、原石山、仮設備、打設設備などの配置状況、及び現在の施工状況についてご説明を頂いた後、ダム堤体の打設面へ移動し、巡航ＲＣＤ工法にて打設された堤体上にて打設面の状況、施工機械等を見学しながらご説明頂きました。その後、ダム右岸上流の木戸ヶ沢へ移動し、貯水池保全施設（既設鉱さいかん止堤）の打設状況を見学しました。木戸ヶ沢への移動の際には、右岸上流に設置された骨材製造設備、バッチャープラント、濁水処理設備などのプラント施設をバス車窓から見学しつつ概要の説明頂きました。最後にダム右岸に位置する原石山へ移動し、原石の採取・運搬状況を見学しながらご説明頂きました。

　現場見学を終え、仙台に向かう帰りの車中においては、参加者の皆様より見学会の感想を発表していただいたところ、普段あまり見ることのない施工現場の状況に深い興味を示されていました。また、往復の車中ではＲＣＤ工法、石淵ダムの施工記録映像などのビデオを上映し、ＲＣＤ工法の黎明期から今日までの発展、ダム施工方法の発展などについても学ぶ機会といたしました。

　今回の現場見学会は、総勢42名となり、多くの方々にご参加いただきました。特に東北地方整備局津軽ダム工事事務所、及び津軽ダム本体建設工事　間・西松特定建設工事共同企業体の皆様には、ご多忙の中、現地案内をはじめ多大なご協力とご配慮を賜り、ここに厚く御礼申し上げます。

１．開催期日：平成24年10月3日（水）日帰り
２．見学場所：国土交通省　東北地方整備局　津軽ダム
３．参加人数：42名

４．見学会及び講演会の内容

５．現地写真

左：バス車中にて津軽ダム工事事務所谷田所長よりダム概要などについて説明 右：右岸展望所からの現場状況

左：堤体打設面にて中上ＪＶ所長より工事概要・巡航ＲＣＤ工法などについて説明 右：原石山での原石採取・運搬状況

木戸ヶ沢貯水池保全施設の施工状況

津軽ダム打設面にて集合写真（後ろは目屋ダム）